多くのメディアが取り上げる「SFC Open Research Forum」

マイスターです。

毎年この時期になると、複数のwebメディアで取り上げられている、大学のイベントがあります。


【今日の大学関連ニュース】
■「慶応義塾大学SFC、研究活動成果を一般公開ー今年で13回目」(六本木経済新聞)

慶応義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)研究所は11月21日・22日の2日間、六本木アカデミーヒルズ(港区六本木6)で「SFC Open Research Forum 2008(以下ORF)」を開催する。
ORFは、SFCが研究活動成果を一般に向けて公開する毎年恒例のイベント。13回目となる今年は、「clash of eXtremes」をテーマに、トークセッションや学生による研究発表を行う。
産業界、官公庁、自治体、大学などで活動する諸分野の第一人者によるトークセッション「メーンセッション」では、楽天(品川区)の三木谷浩史社長と同大学院政策・メディア研究科の夏野剛特別招聘(しょうへい)教授による「イノベーションは止められない」など5つを開催する。
研究発表では、大学の研究室と企業との共同研究による成果や、学生個人の研究成果を披露する。
(上記記事より)

慶應義塾大学SFCは毎年、研究成果を一般に向けて公開するイベントを行っています。
それが、「SFC Open Research Forum」というもの。
この、「研究成果」を、「一般に向けて」という点がポイントです。

大学による公式サイトは↓こちら。

■「【clash of eXtremes】- 慶應義塾大学 SFC Open Research Forum 2008」(慶應義塾大学)

SFC研究所では、その研究成果を社会へ還元することが重要な社会責任の一端と考え、研究成果の発表と産官学連携の推進を目的に、毎年SFC Open Research Forum(ORF)を開催しています。
ORFでは、SFC研究所で実施している種々の研究プロジェクトの現状と将来計画を産業界・官公庁・自治体・学会等に広く紹介することにより、外部の評価を得て今後の研究計画に反映させています。
1996年に第1回目が湘南藤沢キャンパスで開催されたORFは、より多くの方にSFCの研究成果を見ていただくために、2003年の第8回目からは都心で開催しています。今年で13回目を迎えるORFへの協力・参加企業は年々増加し、研究成果のアウトプットばかりでなく、産官学連の創出の場としての機能も持ち始めています。
(上記記事より)

大学による公式サイトを見てマイスターが連想するのは、例えば「CEATEC JAPAN」等のように、東京ビッグサイトや幕張メッセなどで行われる展示会です。

実際、「SFC Open Research Forum」は、プレスも技術者も、学生も研究者も、そして一般の方々も入場可能で、会場を回りながらそれぞれの興味に合わせて質問したり、情報収集したりできるイベント。

●展示の他、メディア露出度の高いゲストを交えてのメインセッションから、テーマを絞ってのセッション、デモンストレーションなどを組み合わせたタイムテーブル。

●プレスが参加しやすい平日(金)と、一般参加者が参加しやすい週末(土)という運営日。

●実際のキャンパスではなく、参加者が訪れやすい都心の会場(六本木ヒルズ)

……等々、どこをとっても、展示会そのものです。

おそらく運営側は、イベントの企画から広報、そして当日各ブースで行われるやりとりに至るまで、企業などが行う展示会を強く意識して設計しているのだろうと思います。

学会ではない。受験生向けのオープンキャンパスでも、学園祭でもない。
この手のイベントが、実は、あまり他にはないように思われます。

(たまに「産学連携」と銘打ち、複数の大学が参加するイベントはありますが、「産学連携」の切り口で告知をしたら、来るのは企業の知財関係者や技術者だけで、一般の人やプレスはあまり来ません。
第一、なんだか楽しそうではありません)

しかしこれが、少なくともメディアに対しては、大いに成果を上げているようです。

■「夏野&古川がeXtremes談話? – 慶大SFC Open Research Forum 2008前夜祭レポ」(マイコミジャーナル)

■「時代を創る“衝突”を――SFC Open Research Forum 2008」(ITMedia NEWS)

■「慶応大学SFCのオープンキャンパスが開幕,前夜祭には古川氏と夏野氏らが登場 」(ITPro)

■「慶應義塾大学SFC、研究成果発表イベント「SFC Open Research Forum」開催」(THE SECOND TIMES)

■「極端な人材こそが価値を持つ時代–古川享氏、夏野剛氏らが議論」(読売オンライン)

挙げればキリがありませんが、このようにIT関連を中心に、複数のメディアがこぞってイベントの告知や実際の様子のレポートなどを報じています。
ここ数年、毎年見られる現象です。

SFCを構成する総合政策学部、環境情報学部は、もともとITやメディアに関連が深い領域を扱っているので、こういったメディアが飛びつくのは自然と言えば自然ですが、しかし他の有名大学にだって同様の専攻はあります。
また、SFCの2学部を合わせると、かなり広い研究領域を扱っているわけですが、他大学でも、1つのキャンパスを合わせれば、同じかそれ以上の範囲をカバーする例はあるでしょう。

SFCは、学部生の早い段階から実際に研究プロジェクトに携わっていく点が特徴。
これは、他の大学にはあまりないポイントかも知れませんが、大学院生レベルでなら、他にも例はあるでしょう。

そう考えると、SFCがこうしたイベントを継続して実施しており、他の大学が行っていないのは、大学側の考え方や姿勢の違いによるところが大きいのかな、という気もします。

こういったイベントを実施するのは、けっこう大変で、面倒くさいことでもあります。
十分な集客を得るためにはノウハウも要るでしょうし、中途半端に実施しても、来場者をしらけさせるだけで後に続きません。当然のことながら、お金もかなりかかるでしょう。
それこそ、プレスリリースも相当、打ったと思います。
「これをやらないとウチの未来はない!」くらいの姿勢でないと、継続することは難しいかも知れません。

(参考)
■プレスリリースを活用して、大学の取り組みを発信しよう

SFCは、ITmediaで特別コンテンツを掲載するなどして、イベント告知、および研究成果の共有に努めてもいるようです。

■「clash of eXtremes SFC Open Research Forum 2008」(ITmedia エンタープライズ)
(※上記のページから、過去の Open Research Forumのレポートも読めるようです)

また、この「SFC Open Research Forum」の開催直前に、SFCの研究チームが関わるプロジェクトのいくつかが、ほぼ同時に大きな取り組みのプレス発表を行っています。

■「慶應SFCら、地域WiMAX運営会社を設立–新たな無線ビジネス創出へ」(CNET Japan)
■「DMC機構が「SFアニメ」を街頭ビジョンで放映 -創造都市をPR」(ヨコハマ経済新聞)

こういったプロジェクトが、「SFC Open Research Forum」でブースを出すことになっていたりして、こんなとこともまた、ノウハウの蓄積を感じるというか、「うまいなぁ」と思う部分でもあります。
「Open Research Forum」 を盛り上げたり、あるいは逆に利用したりという意識が、キャンパス内に根付いているのかも知れません。

SFCのOpen Research Forumも13回目だとのこと。
マイスターも以前行ってみたことがあるのですが、企業の展示会をより雑多に、より実験的にした感じで、なかなか楽しかったです。運営している側も楽しんでやっている雰囲気でした。

協賛企業も増えていますし、大学のサイトにあるように、「産官学連携の推進」にも大いに役立っているのかな、と思います。
こうした攻めのアクションを起こすことで、企業人やプレス、技術者、一般の方々にもその取り組みがひろく知られることになり、他大学に差をつけることにもなるでしょう。
(都心での開催にこだわるのも、そのあたりの「成果」を求めているからでしょう)

また学部生の段階からこういったイベントに関わり、自分の研究成果を企業人やプレスに評価してもらう、あるいはフィードバックを受けることは、教育上、好ましい刺激になると思います。

……といったことを、毎年、この時期になると思うのです。

他の大学でもこういったイベントを企画いただけると、産学連携も活性化され、また研究者や技術者の交流も促進されて、盛り上がって楽しいと思います。
いかがでしょうか。>大学関係者の皆様

以上、マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。

5 件のコメント

  • 慶應義塾大学環境情報学部の佐藤芳明って訪問講師が[大白法]って宗教新聞で宗教勧誘を頑張っています!なんて記事を載せています!結婚式の写真まで載せていて、パッと見は統一教会みたいです!