東大改革の象徴だった副理事が、痴漢の現行犯で諭旨解雇

マイスターです。

本日は、

「世間の方はあまり気にとめなかったかも知れないけれど、大学業界にとっては結構大きなニュース」

……がありました。

【教育関連ニュース】—————————————–

【16日お昼頃の報道】
■「東大副理事が電車内で痴漢容疑 逮捕翌日釈放」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0216/TKY200702160225.html
■「53歳東大副理事、痴漢で逮捕…容疑認め釈放」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070216i105.htm
■「電車内で痴漢 東大副理事を現行犯逮捕」(日テレNEWS24)
http://www.news24.jp/77570.html
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東京大学の竹原敬二副理事(53)がJR京浜東北線の車内で女性に痴漢行為をしたとして、警視庁に東京都迷惑防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されていたことがわかった。竹原副理事は容疑を認め、逮捕翌日に釈放された。
(「東大副理事が電車内で痴漢容疑 逮捕翌日釈放」(Asahi.com)より)

東大の副理事を務める竹原敬二氏が、痴漢の現行犯で逮捕されていたという報道です。ご本人も容疑を認めているとのことです。

痴漢は重大な犯罪ですが、教育業界の人間が加害者になった場合、世間はより厳しい評価をします。それはそうでしょう。
しかも我が国を代表する教育研究期間である東京大学の、経営陣の一員。当然、メディアも大きく取り上げました。

さてこの事件。
報道されてからの動きが、早かったです。

【教育関連ニュース】—————————————–

【16日夜の報道】
■「記者発表一覧:東京大学副理事に対する懲戒処分ついて」(東京大学)
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_190216_j.html

■「東大、痴漢の疑いで逮捕の副理事を諭旨解雇」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0216/TKY200702160340.html

■「痴漢の東大副理事 諭旨解雇の懲戒処分に」(日テレNEWS24)
http://www.news24.jp/77605.html
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副理事に対する懲戒処分ついて

 東京大学は、2月16日、副理事 竹原 敬二(たけはら けいじ)(53)(以下「同人」という。)に対し、諭旨解雇の懲戒処分を発令した。
 同人は、2月10日(土)の午後1時から本郷キャンパス内御殿下記念館において開催予定の「東京大学留学生のための業界研究会」に出席するために、同日午前11時54分頃、大井町駅から京浜東北線(快速)に乗り、途中浜松町駅で座席が空いたため座った後居眠りをし、東京駅付近で目が覚めた際に隣に座っていた女性の左足の太もも部分側面に同人の右手があることに気が付いたにもかかわらず、そのままの状態でいた。その後、同電車が秋葉原駅に着いたときに同女性からの告発を受け、秋葉原駅で警視庁万世橋警察署警察官に痴漢行為で逮捕されたものである。
 以上、東京大学副理事として本学の重責ある立場にもかかわらず、同人が上記行為を行ったことは、本学の名誉又は信用を著しく傷つける行為に該当するものであり、その責任は極めて重大であり、東京大学教職員就業規則第39条第5号に定める諭旨解雇の懲戒処分としたものである。
(「記者発表一覧:東京大学副理事に対する懲戒処分ついて」(東京大学)より)

この通り、今日付で諭旨解雇ということになったようです。

報道されたその日のうちに解雇の発表。
まあ、実際には現行犯逮捕されたのが10日だとのことですから、報道が流れる前に処分は決まっていたのかも知れませんが、「対応が早いなぁ」という印象はあります。
諭旨解雇の理由は、「大学法人の名誉又は信用を著しく傷つけた」という学内規定に抵触したというもの。確かにトップに近い地位で責任の大きい仕事をしている方がこんな事件を起こしてしまっては、こういった規定が適用されるのもわかります。規定に抵触しているとなれば議論の余地もありません。解雇のスピード発表も納得です。

それにこういう場合、迅速に対応した方が、毅然とした組織の姿勢を伝えられるというものです。竹原氏は東大にとっても貴重な人材だったでしょうが、報道から間をおかず素早い決断を下したのは良かったのではと思います。

(竹原氏が東大の広報担当役員だったという事実がなんだか皮肉です)

さて、通常ならこれでニュースの紹介は終わりなのですが、もうちょっとだけ。

この竹原氏、大学業界では、超有名人なんです。
竹原氏は、リクルートから東大に引き抜かれた、まさに「東大組織改革の象徴」ともいえる人。メディアが東大の改革を取り上げる際に、東大の「顔」として登場することも多いです。
東大自身も、竹原氏を対外戦略の要として積極的に活用していたように思います。

■「竹原敬二さん – 東大な人 – UT-Life」(東京大学)
http://www.ut-life.net/people/k.takehara/
■「キャリアサポート室について」(東京大学)
http://www.careersupport.adm.u-tokyo.ac.jp/about.html

閉鎖的な大学組織に新風を入れるための、東大組織改革の切り札……として、今後も活躍される予定だったはず。今回の解雇は、東大にとっても大きな痛手だったはずです。
(逆に言うと、組織改革を望まない人からすれば、今回の事件は願ってもないことだったでしょう)

実際、お昼の報道が流れた時点でマイスターは、

「この事件がきっかけでもしも竹原氏が辞任することになったら、東大の改革が減速する可能性もあるかもなぁ」

……と、すぐに思いました。

今後、実際に東大がどうなるのかは、外部の人間であるマイスターにはわかりません。
既に東大はこれまでにない取り組みを積極的にやる方向に走り出しつつありますので、改革の動きが止まることはないのかも知れません。しかし逆に、竹原氏が抜けたことでせっかく動き始めた変化がまた元に戻ってしまうのかも知れません。
今後の東大の動きに注目です。

以上、マイスターでした。

3 件のコメント

  • >組織改革を望まない人からすれば、今回の事件は願ってもないこと
    この件、どうにもそういった力が働いたのではないか、と勘ぐりたくなります。
    多比良教授らの懲戒解雇も、阪大に比べて厳しすぎたのはもしや?とか。
    続けざまに起こるとちょっと考えてしまいます。
    ちなみに細かな点ですが、「論旨解雇」ではなく「諭旨解雇」です。

  • むらかみさま:
    マイスターです。コメントありがとうございます。今回の報道を見て「もしや誰かの陰謀!?」という考えが頭をよぎった方、少なからずいらっしゃるような気がします。続けざまに起こると、どうしても勘ぐっちゃいますよね。
    >ちなみに細かな点ですが、「論旨解雇」ではなく「諭旨解雇」です。
    恥ずかしいミスをしてしまいました…orz
    慣れない言葉を使うとこれです…。
    ご指摘ありがとうございます。さっそく修正いたしました。