学力向上には、学校よりも塾を信用する保護者が多い!

初めて「塾」に行ったのは小学校6年生の終わりだったと思う、マイスターです。

その前にも、親に勉強を教わったり、何回か「公文」などに行ってみたりはしましたが、学力アップのために講義を受ける「塾」のスタイルは、その頃からです。

中学校進学に向けて(といっても地元の公立校ですが)、マイスターの親も、マイスターの友達の親も、みんな、こぞってこの時期に子供を塾に通わせ始めました。

「中学になったら、定期テストが大変」
「中間・期末の結果が、後の内申とか、推薦とかに響くらしい」
「3年生になってから受験対策をしても、基礎学力がついてないと手遅れ」

みたいな心配が、どの親にもあったんじゃないかな、と思います。
(上記は、あくまで現在のマイスターの推測ですが)

そんなわけで中学校の3年間、ずっと、塾に行っていました。
地元の駅前にある塾で、大手ではない、小さな塾でした。
3年生になるまでは、週に2回くらいでしたが、
受験生になってからは夏休みも平日も、結構な頻度で授業を受けていたと思います。

高校受験では、第一志望校に受かりました。
まぁ、塾のおかげ、と言えるかも知れません。

高校のときは、部活だなんだで忙しかったので、予備校なんて行きませんでした。
私立の、そこそこの進学校だったので、マイスターは学校の勉強で手一杯でした。
(っていうか、私立は学費も高いので、予備校に回すお金なんてありませんでした)
周りも、予備校に行っている人なんて、聞きませんでした。

高校3年の夏に、ようやくマイスターは、数コマの受験対策講座なんぞを受けるようになりましたが、基本的には、自学自習で通しました。

その結果、1校を除いて他すべての大学に落ちまくったのは、マイスターとみんなだけのヒミツだぞぅ♪

【教育関連ニュース】——————————————–

■「学校制度アンケ:学校教育に『不満』の保護者43%も」(毎日新聞 MSNニュース掲載)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20051007k0000m040105000c.html

■「学力向上は学校より塾・予備校、親へのアンケで大差」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20051006i214.htm

■「学力向上には学校より塾 内閣府が保護者に調査」(産経web)
http://www.sankei.co.jp/news/051006/sha086.htm
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各社、一斉に報じております。

いまや、学力問題は、すべての日本国民の関心の的。
高まる「ゆとり教育」へ批判や不満も、こうした記事を後押しするのでしょうね。

毎日新聞の記事によると、

 ○野村総合研究所のモニター登録のうち、
 ○全国の小中高校生の保護者3,620人を対象に
 ○インターネットで実施
 ○実際に回答したのは1,270人

とのこと。

-調査方法がインターネット上だったことから、文科省教育課程企画室は「母集団に偏りがあり、手法に疑問がある」と疑問を呈したうえで、「文科省のアンケートでは、学校への満足度が70%に上っており、今回の内閣府の調査の結果については中身を十分に精査したい」と話している。-(毎日新聞の記事より)

とありますが、確かに偏りがあるのは事実です。
ネットを活用している人だけしか、回答できませんからね。

しかし、この「ネット調査だから信頼おけない」というのは、
自分たちに都合の悪い結果が出た時の切り札として、長く重宝されている言葉です。
だったら、初めからネットで調査するなよと突っ込みたくなりますね。
「偏りはあるが、何らかの参考にしたい」とか言うならまだしも、「手法に疑問がある」ですからね。
手法を決めた時点で、やめればよかったのに。

ただ、この免罪符的な言い回しも、段々通用しなくなりつつあるように思います。
小、中、高校生の親を対象とした調査だということは、30代~50代くらいの方が回答されているのだと思いますが、平成16年度末の時点で、この世代のインターネット利用率は、

 30代:90.5%
 40代:84.8%
 60代:65.8%

(以上、総務省調査:http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050510_1.html による)

ですからね。
小学生の親なんて、9割は多分、ネット利用者ですわ。

ついでに言うと、ネット業界で企画をしていたマイスターの周りでは、

「今、日本で一番ハードにネットを活用しているのは、主婦」

というのが、隠れた常識でした。
日に2時間とか3時間とかネットしている人、普通です。
働いている人も、在宅訪問のアンケートや、学校のPTAが配るアンケートより、ネット調査の方がはるかに回答しやすいのではないでしょうか。
従来の調査より、ある意味ずっと偏りがない調査方法になりつつあります。ネット調査。

こうなると、「文科省のアンケートでは、学校への満足度が70%に上っており」という文科省の言い分の方が、むしろあやしく思えてきます。
どんな調査を、どんな場所で、どういう選ばれ方をした人たちに、どんなニュアンスで行ったのでしょうかね。

まぁ、そんな細かいことはこの際ワキにおいて、内容を見てみましょう

3紙の内容を総合すると、

 ○塾のいいところ :「学習進度に応じた指導」

 ○学校のいいところ:「公平・平等に対応してくれる」

ということになるようです。

うーむ。
「どんなことに対して」学校が公平・平等に対応してくれるのかが、この文面からだけでは何ともわかりません。
ただ、もしこれが「学習指導」に対しての感想なのだったら、とても面白いですね。

みんな同じように対応してほしい人たちと、
みんな同じように対応して欲しくない人たちがいる。

ってことではないですか。

これ、現代の教育を取り巻く問題の、核心部分だよなぁ、と思います。
数十年前と比べて変わったのも、おそらくはここですよ。
すべては、ここから議論しなければならないのではないでしょうか。

ただこの比較、塾が純粋に学力向上のための機関として認識されているのに対し、
学校は、「生徒指導など授業以外の指導もしてくれる」という意見もあるように、
学力以外の部分でも評価されています。
つまり純粋な比較ではなく、ハンデがついていますので、そこは忘れないようにしないといけません。

もっとも、その「授業以外」の部分でも、

 「学習以外での対応力不足」52%
 「責任感の欠如」49%

と、学校教師の評判はいまひとつ。なんだかなぁ。

学習以外での対応力が不足していて、
責任感が感じられなくて、
しかも学習指導力もない、
と教師が思われているのでは、そりゃあ「総合学習」に期待が集まらないわけだよなぁ

だって、「総合的な学習の時間」って、ひとりひとりの教師に
確かな指導力と、学習以外での対応力と、責任感が備わっているって前提で考えられたシステムだもんなぁ。

おまけに日本の社会は今でも、

「受験の成果が大きな意味を持つ社会」

のままですからね。
少なくとも、子供を持つ親は、かなりの割合の方がそういう感覚を持っていると思います。

これじゃあ、塾の方が信頼される結果が出るのも、当然です。

すべての学校が悪いわけでもないし、
塾に、学校の代わりができるわけでもない。

ただそれでも、今回のアンケート結果は、やはり現在の教育のあり方の痛いところをズバリ突いているんじゃないかと思います。
文科省は、真摯に結果を受け止めて欲しいと思います。

「自分たちがやったアンケートではもっと満足度が…」

とか言っている場合ではありません。

最後に。

実は、

「受験指導以外のことを提供する塾」

というのがここ数年の間に、登場してきています。
理科の実験やアウトドアでの学習、進路指導、生徒の悩み相談を、塾が独自に行うのです。

学校がすべての面で塾に負けてしまう日が、来ないことを祈ります。

学校、がんばれ。

今のような状況が続いていたら、自分が子供を持った時、
やはり不安で塾に通わせてしまうような気がするマイスターでした。